更新 2026.10.18 / BODY SHOP JACK
結論:車をぶつけたかも・擦ったかもと思ったら、傷が見当たらなくても、その場で警察に連絡してください。当たったかどうかを自分で決めないことが、あとで困らないいちばんの近道です。
自分の車に相手の色が移っていないか、塗装が削れていないか、部品がずれていないかを見て、写真に残します。移った色は磨いて消さず、そのままにしておきます。届け出が済んだら、LINEでご来店のご予約をください。
この記事の目次
ぶつけたかも・擦ったかもと思ったら、傷なしでも警察へ
駐車場でバックしたときに「コツン」と感じた、狭い道ですれ違ったあと「ガリッ」と聞こえた気がする。車を降りて見ても傷が見当たらず、相手の車も物もよく分からない。こういうときに迷うのが、警察に連絡するかどうかです。
答えは、傷が見当たらなくても連絡するです。道路交通法第72条は、交通事故があったとき、運転者に、警察官へ事故の日時と場所、「損壊した物及びその損壊の程度」などを報告するよう定めています。相手がけがをしていない物だけの事故でも同じです。当たったかどうかがはっきりしないときも、自分で「当たっていない」と決めずに、警察に伝えて確かめてもらいます。
連絡しておくと、あとで困らない理由
- あとから相手が気づいても、説明がつく:相手が帰ってから傷に気づき、警察に届け出ることがあります。先に連絡してあれば、その日のうちに伝えていたことが残ります
- 保険を使える形になる:保険で直すときは、警察に届け出た事故であることの証明(交通事故証明書)が求められることがあります。届け出ていない事故は、この証明が出せません
- 当たっていなかったと分かれば、それで終わる:警察官と一緒に相手の車や壁を見て、跡が無ければ、そのことが分かります。不安を抱えたまま過ごさずに済みます
「小さく当たっただけだから」「相手がいないから」と、届け出ずにその場を離れると、当て逃げとして扱われることがあります。気づいていなかった場合も、あとで調べられることがあります。迷ったら、連絡するほうを選んでください。
その場でやることの順番
- 安全な所に止める:ハザードランプを付け、後ろの車や人にぶつからない所に寄せます。駐車場なら、通路をふさがない所に止め直します
- 自分の車の当たりそうな所を見る:バンパーの角、ドア、後ろのフェンダー、ドアミラーを見ます(見るところは次の節)
- 周りを見る:隣の車、壁、柱、ポール、ブロック塀、ガードレール、縁石に、新しい跡や自分の車の色が付いていないかを見ます
- 写真を撮る:自分の車の当たりそうな所(全体と近く)、相手の車や物、その場所が分かる景色を撮ります。時刻も残ります
- ドライブレコーダーの映像を残す:映像は上書きされることが多いので、気づいたらすぐに保存します
- 警察に連絡する:その場から110番で、「当たったかもしれない」と伝えます。相手の車の持ち主が分からないときも、そのまま伝えます
- 相手がいれば、連絡先を交換する:名前・連絡先・車のナンバー・加入している保険会社を聞きます。その場で示談の約束はしません
- 保険会社に連絡する:保険を使うか決めていなくても、事故の連絡はしておきます
駐車場の場合は、管理している会社やお店にも伝えます。防犯カメラの映像は、管理者でないと見られないことが多く、残しておく期間が限られていることがあります。
警察に伝えること・用意するもの
道路交通法第72条が報告するよう定めているのは、事故の日時と場所、けが人の有無、壊れた物とその程度、積んでいた物、その場でとった措置です。「当たったかどうか分からない」ときは、その分からない様子もそのまま伝えます。
- 手元に用意するもの:運転免許証、車検証、自賠責保険の証明書、任意保険の証券(保険会社の連絡先が分かるもの)
- 話せるようにしておくこと:何時ごろ、どこで、どの向きに動いていて、どこに当たった可能性があるか。音や感触があったか
- 見ていた人がいれば:名前と連絡先を聞いておきます。あとで状況を確かめるときに助けになります
ドライブレコーダーの映像を残すには
ドライブレコーダーは、古い映像から順に上書きしていく仕組みのものが多く、そのまま走り続けると、当たったかもしれない場面が消えることがあります。多くの機種には、ボタンを押すと上書きされない所に保存する機能があります。使い方が分からないときは、電源を切って記録用のカード(SDカードなど)を抜き、保管しておきます。機種ごとの方法は、取扱説明書で確かめてください。
当たったかを確かめる:板金屋が見る4つの跡
当たったかどうかは、自分の車に残る跡で分かることがあります。私たちが修理の前に車を見るときも、同じ所を見ます。明るい所で、正面からだけでなく、斜めから見てください。夜や雨の日は、跡を見落としやすくなります。
| 跡 | 見え方 | 分かること |
|---|---|---|
| ① 色が移っている | 自分の車に、ほかの色の線や点が付いている。白い線はガードレールや壁、黒やグレーはタイヤやゴム、別の車の色のこともある | 何かに触れた。相手の色が分かれば、相手を確かめる手がかりになる |
| ② 塗装が削れている | 線が表面より低く、爪が引っかかる。下から白やグレーの層が見える | 強めに擦った。削れた向きで、前から当たったか横から当たったかが分かる |
| ③ 部品がずれている | バンパーの端が浮いている、ボディとのすき間が左右で違う、ドアミラーの向きが変わっている | 押された力が中に入った。外から傷が見えなくても当たっている |
| ④ 下や横に跡がある | バンパーの下の面、車の下の覆い、タイヤの横に、こすれた跡やひっかかりがある | 縁石・段差・車止めに当たった。相手の物ではなく、自分の車だけのことも多い |
前からあった傷か、新しい傷か
見つけた傷が、今日付いたものか、前からあったものか分からないこともあります。見分けの目安は次のとおりです。ただし、どちらか決めにくい傷も多く、相手のいる話では、判断は警察に任せます。
- 新しい傷:削れた面がきれいで、汚れが入っていない。移った色がはっきりしている
- 前からある傷:削れた所に汚れや水あかが入って黒ずんでいる。鉄板まで届いた傷では、茶色いサビが出ている
ふだんから、乗る前に車の周りを一周見る、洗車のときに傷の位置を写真に残しておく、という習慣があると、「いつの傷か」で迷わずに済みます。
暗くて見えないとき
夜の駐車場や雨の日は、スマートフォンのライトで当たりそうな所を斜めから照らして見ます。それでも分からないときは、警察への連絡はその場で済ませ、翌日の明るい時間にもう一度見ます。翌日に跡が見つかったら、そのことも警察と保険会社に伝えます。
移った色は、磨いて消さない
自分の車に相手の色が移っていたら、その色は消さずにそのままにしておきます。どの車や物に当たったかを確かめる手がかりになるからです。ウエスでこすったり、コンパウンドで磨いたりすると、移った色と一緒に自分の車の塗装まで削れて、直す範囲が広がることもあります。警察と保険会社への連絡が済むまで、触らずに置いてください。
よく当たる場所
- 前後のバンパーの角:駐車やすれ違いで、いちばん当たりやすい所です。運転席から見えにくく、気づかないまま擦っていることがあります
- 後ろのフェンダー:曲がるときに内側に寄り、柱や壁に当たりやすい所です
- ドアとドアミラー:狭い道のすれ違いや、駐車場で隣の車との間が狭いときに当たります
- ドアの角:乗り降りのときに、隣の車や壁に当たります(ドアパンチ)
擦り傷の深さの見分け方と直し方はキズ・擦り傷のページに、ドアの角を当てたときのことはドアパンチの修理代の記事にまとめています。
音で分かること・音がしなくても擦っていること
聞こえた音と、考えられること
| 聞こえた音 | 考えられること | 見るところ |
|---|---|---|
| ガリッ・ギギッと続く | 車の横や角が、壁・柱・ほかの車に擦れた | バンパーの角、ドア、後ろのフェンダー |
| コツン・コンと短い | バンパーやドアの角が、軽く当たった。小石が当たった音のこともある | バンパーの角、ドアの角 |
| ゴン・ドンと低い | 段差・縁石・車止めに、下やタイヤが当たった | バンパーの下の面、車の下、タイヤの横 |
| パキッと乾いた音 | 樹脂の部品(バンパー・ミラー・カバー)が割れたり、取り付けが外れたりした | バンパーの端、ミラー、すき間 |
音だけで決めることはできません。車の外の音や、車内の荷物が動いた音を、当たった音と思うこともあります。音がしたら、上の表の所を見て、跡があるかを確かめます。
音がしなかったのに、擦っていることもある
ゆっくり動いているときに柔らかい物や樹脂のバンパーに触れた場合や、音楽をかけていた、エアコンの音が大きかった、というときは、擦っても音に気づかないことがあります。運転席からは車の角が見えにくいので、当たった感触もほとんど無いことがあります。
擦ったことに気づくのは、いつが多いか
- 乗り降りのとき:ドアを開けたときに、ドアや後ろのフェンダーの傷が目に入る
- 洗車のとき:手でなでたときに、ざらつきや削れに触れる
- 人に言われたとき:家族や、ガソリンスタンド・点検の店で教えてもらう
- 警察や相手から連絡が来たとき:自分は気づいていなかったが、相手が気づいて届け出ていた
「いつ付いた傷か分からない」というときも、気づいた時点で、どこで当たった可能性があるかを思い出し、心当たりがあれば警察に伝えます。
傷が無いのに、当たっていることはある?
あります。いまの車のバンパーは樹脂でできていて、押されると少しへこみ、元の形に戻ります。外から見て傷が無くても、次のようなことが起きていることがあります。
- バンパーの取り付けが外れる:バンパーはツメやクリップでボディに留まっています。押された力で外れると、端が浮いたり、すき間が広がったりします
- 中の部品が割れる:バンパーの裏にある補強の部品や、取り付けの台が割れていることがあります。外して見ないと分かりません
- センサーの向きがずれる:駐車のときの距離のセンサーや、自動ブレーキのセンサーが付いた車は、当たった力で向きがずれることがあります。警告の音が鳴りっぱなしになる、鳴るはずの所で鳴らない、という形で出ます
- ミラーの向きや動きが変わる:電動でたためない、鏡の角度が戻らない、という形で出ます
表に傷が無くても、すき間がずれている、警告の出方が変わった、というときは、当たった力が中に入っています。センサーの調整は専門の工場で行うことがあり、その日数が加わります。
相手の車も、外から傷が見えないのに、中が傷んでいることがあります。「相手の車に傷が無かったから」と、その場で終わりにしないでください。警察に伝え、連絡先を交換しておけば、あとで相手の車に何か見つかったときも、話を進められます。
ケース別:何に当たったかで、やることが変わる
駐車場で、隣の車に当てたかもしれない
相手の車の持ち主がいないときは、その場で警察に連絡し、駐車場の管理者にも伝えます。メモをワイパーにはさんで帰るだけでは、届け出たことになりません。相手の車のナンバーと、自分の車の当たりそうな所の写真を撮っておきます。
壁・柱・ポール・ブロック塀を擦ったかもしれない
人の家の塀や、お店の柱など、持ち主がいる物に当たったときも、警察に連絡し、持ち主にも伝えます。持ち主の物を傷めていれば、その修理代は、ご自身の自動車保険(任意保険)の対物賠償保険で払えることがあります。ガードレールに当たったときのことはガードレールに擦ったときの記事にまとめています。
縁石や車止めに当たったかもしれない
縁石や車止めに当たって、自分の車だけが傷んだときは、相手のいない事故です。それでも、道路の物を壊していないかは自分では決めにくいので、迷ったら警察に伝えます。タイヤの横にこぶや深い切れ目ができていたら、そのまま走らずにタイヤの店で確かめてください。
相手が行ってしまった
当たったかもしれないのに、相手の車がそのまま行ってしまったときは、相手の車の色・車種・ナンバーの一部でも覚えている所をメモし、警察に伝えます。ドライブレコーダーの映像があれば保存します。自分の車に傷があれば、相手の保険で直す話になることがあるので、写真を残して、直す前に警察と保険会社に伝えます。
会社の車・レンタカー・カーシェアのとき
警察に連絡したうえで、車を借りている会社にも連絡します。修理や補償の進め方は、会社との契約で決まります。自分の判断で直したり、そのまま返したりしないでください。
身に覚えがないのに「擦られた」と言われたとき
相手から「あなたの車が当たった」と言われ、自分には心当たりがないときは、その場で言い合ったり、払う約束をしたりせずに、警察に来てもらいます。自分の車の当たりそうな所を一緒に見て、相手の車の跡と高さや色が合うかを確かめてもらいます。自分の車の写真も撮っておきます。
あとから気づいた・後日、警察から連絡が来たとき
家に帰ってから、擦ったかもと気づいた
気づいた時点で、すぐに警察に連絡してください。いつ・どこで・どのように当たった可能性があるかを、思い出せる範囲で伝えます。時間がたつほど、場所や相手を確かめにくくなります。自分の車の跡は、直さずにそのままにしておきます。
後日、警察から連絡が来た
- 事実をそのまま伝える:いつ・どこにいたか、当たったことに気づいていたか、気づいていなかったか、をそのまま話します
- 車を直さずに見せる:警察は、相手の車の跡と、自分の車の跡が合うかを確かめることがあります。連絡が来る前に直していると、確かめられなくなります
- 保険会社に連絡する:相手の車や物の修理代を払うことになれば、対物賠償保険で払えることがあります
連絡が来るまでの日数は、相手が届け出た日や、調べの進み方で変わります。気になるときは、待たずに自分から警察に伝えるほうが、話が早く進みます。
気づかなかったとき、点数や罰則はどうなる?
道路交通法は、交通事故があったときの措置(道路の危険を防ぐなど)に違反した場合を「一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金」(第117条の5)、警察への報告をしなかった場合を「三月以下の拘禁刑又は五万円以下の罰金」(第119条第1項第17号)と定めています。違反の点数は、愛知県警察の点数制度の表で、物損事故の当て逃げ(措置義務違反)の付加点数が5点とされ、もとになった違反の点数に加わります。
本当に気づいていなかった場合にどう扱われるかは、警察が状況を調べて判断します。ここで「罪になる・ならない」を決めることはできません。不安なときは、事実を警察に伝えたうえで、弁護士にご相談ください。
出典:道路交通法(e-Gov 法令検索)第72条・第117条の5・第119条/愛知県警察 行政処分と点数制度(2026年10月18日に確認)
保険はどうなる?
- 相手の車や物の修理代:ご自身の自動車保険(任意保険)の対物賠償保険で払えます。保険会社が相手とやり取りします
- ご自身の車の修理代:車両保険で直せることがあります。車両保険の種類によっては、相手のいない事故が対象外のことがあります
- 自賠責保険は使えない:人のけがへの補償なので、車や物の修理には使えません
- 等級:保険を使うと、翌年から等級が下がり、保険料が上がります。日本損害保険協会の説明では、事故で保険金を受け取ると、1事故につき3等級下がります
修理代が小さいときは、上がる保険料の合計のほうが高くなることがあります。保険を使うかは、修理の見積もりと、保険会社に聞いた保険料の差を比べて決める方法があります。保険を使う修理の流れは事故修理・保険対応のページにまとめています。
交通事故証明書は、届け出た事故にだけ出る
保険の手続きで求められる交通事故証明書は、警察に届け出た事故について、自動車安全運転センターに申し込んで出してもらいます。届け出ていない事故には出ません。「保険を使うかまだ決めていない」ときも、届け出だけは済ませておくと、あとで使うと決めたときに困りません。
出典:日本損害保険協会 損害保険Q&A 問23(等級)(2026年10月18日に確認)
修理は届け出のあとに。自分で磨かない
当たった跡を見つけると、早く消したくなります。けれども、届け出と保険会社への連絡が済む前に直すと、困ることがあります。
- 確かめられなくなる:相手の色が移った跡や、削れた向きは、どこに当たったかを確かめる手がかりです。消してしまうと、あとで相手と話すときや、警察が確かめるときに使えません
- 保険で直せなくなることがある:保険を使うときは、保険会社が修理の前の状態を確かめ、修理の内容と金額を決めます。先に直すと、その確かめができません
- 直す範囲が広がる:市販のコンパウンドで強く磨くと、移った色と一緒に車の透明な膜(クリア)や色の層まで削れ、パネル1枚の塗装が要るようになることがあります。タッチペンを塗った跡は、あとで塗装するときに落とす作業が加わります
届け出と保険会社への連絡が済んだら、そのままの状態でご来店ください。現車を見て、色が移っただけか、塗装が削れたか、部品がずれたかをご案内します。色が移っただけなら磨きで落ちることがあり、削れていれば塗装、へこんでいれば板金で形を戻してから塗装します。
当店で直すときの流れ
- 保険会社へ連絡:保険を使う場合は、事故の連絡をします。修理先を聞かれたら「BODY SHOP JACK」とお伝えください
- LINEで来店予約:当店へご来店のご予約をください
- 入庫・見積もり・協定:現車を見て見積もりを作り、保険を使う場合は保険会社と修理の内容と金額を決めます
- 修理・納車
修理にかかる日数の考え方は車の修理期間の記事に、全体の流れは修理の流れのページにまとめています。
放っておくとどうなるか
- 移った色:時間がたつと固まり、落ちにくくなることがあります
- 鉄板まで削れた傷:雨でサビが出て、塗装の下で広がります。広がるほど、削る範囲も塗る範囲も広くなります
- 外れかけたバンパー:走っている間の風や振動で、外れ方が大きくなることがあります
- ずれたセンサー:警告が正しく出ないまま走ることになります
サビの進み方は車のサビ修理の記事、バンパーが割れたときのことはバンパーの割れの記事で詳しく説明しています。
「ぶつけたかも」をくり返さないために
- 自分の車の角の位置を知る:前後のバンパーの角と、ドアミラーの先がどこにあるかを、広い所で一度確かめておくと、狭い所での目安になります
- 駐車は広い所を選ぶ:柱の横や、隣の車との間が狭い所を避けます。端の区画は隣の車が片側だけになるので、当たりにくくなります
- ドライブレコーダーを付ける:前だけでなく後ろも撮れるもの、駐車中も録画できるものだと、当たったかどうかを映像で確かめられます
- すれ違いは止まって待つ:狭い道では、無理に進まずに止まって相手を先に通すほうが、擦らずに済みます