更新 2026.10.15 / BODY SHOP JACK
結論:クリア剥がれの応急処置で止められるのは、めくれの広がりまでです。市販のクリアを塗れば、むき出しになった色の層を覆って広がりを抑えられますが、艶と見た目は元に戻りません。見た目まで戻すには、傷んだクリアを落として塗り直す再塗装が要ります。
クリア剥がれとは
多くの車の塗装は、色の層の上に、透明なクリアの層を重ねています。クリアは、色の層を日差しや汚れから守り、艶を出す役目をしています。
このクリアが、年数とともに日差しで傷み、膜のようにめくれてくるのがクリア剥がれです。はじめは艶が引いて白っぽく曇り、やがて表面がまだらにめくれます。日差しを真上から受ける屋根とボンネットに出やすい症状です。
| 進み方 | 見た目 | この段階でできること |
|---|---|---|
| ① 曇り | 艶が引いて、白っぽくかすんで見える | まだめくれていない。塗り直しの時期を考え始める |
| ② めくれ始め | 一部の膜が浮いて、縁がささくれている | 応急処置で広がりを抑えられる |
| ③ 広くめくれた | まだらに膜が無くなり、色の層が出ている | 色の層が傷む前に再塗装 |
車の色によっては、クリアを重ねない塗装もあります。その場合は膜がめくれるのではなく、表面が粉をふいたように白っぽく傷むことがあります。
自分でできる応急処置
市販の補修用のクリア(刷毛で塗るもの・スプレー)で、めくれた所を覆う方法です。塗料の説明書の手順を守ったうえで、次の点を押さえてください。
- 洗って乾かす:砂や汚れ、ワックスを落とし、よく乾かします
- 浮いた膜を落とす:浮いてめくれかけた膜は、上から塗っても下からまためくれてきます。浮いた所は先に取り除き、残った膜の縁の段差を細かい耐水ペーパーでならします
- 油分を拭き取る:脱脂剤で拭き、周りをマスキングテープで覆います
- 薄く塗り重ねる:一度に厚く塗ると、垂れたり、乾きにむらが出たりします
応急処置でできるのは、むき出しの色の層を覆って、めくれが広がるのを抑えるところまでです。
- 塗った所と周りの境目は、艶と色の差で見えます
- 周りのクリアも同じだけ日差しで傷んでいるため、塗った所の外側から次のめくれが出てくることがあります
- どのくらい持つかは、塗り方と、車を停めている場所の日当たりで変わります
応急処置のあとで塗り直すとき
いずれ見た目まで戻したくなったときは、再塗装になります。再塗装では、傷んだクリアを落として下の面を整えてから、色とクリアを塗り直します。
応急処置で塗ったクリアも、このときに一緒に落とします。塗った範囲が広い・厚く塗り重ねている場合は、落とす作業がそのぶん加わります。応急処置をするなら、めくれた所だけに薄く塗るのが、あとの塗り直しにも響きにくいやり方です。
めくれが進んで色の層まで日差しで傷むと、色あせた所の下地から作り直すことになります。曇りやめくれ始めの段階でご相談いただくと、作業が少なく済みます。
再塗装の費用と日数
クリア剥がれは周りのクリアも傷んでいるため、塗り直しはパネル1枚(屋根1枚・ボンネット1枚)が基本です。理由は車の塗装の剥がれの記事で説明しています。
| 場所 | 主な作業 | 目安 |
|---|---|---|
| ボンネット | 古いクリアを落とし、色とクリアを塗り直す | お見積もりでご案内します |
| 屋根 | 同上。面が広く、窓まわりの養生が増える | お見積もりでご案内します |
| トランク・リアゲートの上 | 同上 | お見積もりでご案内します |
当店では、その車の今の色に合わせて塗料の色を作り(調色)、隣のパネルと色が合うように塗ります。
日差しや年数による劣化は事故ではないため、車両保険の対象にならないのが一般的です。ご契約の内容は保険会社にご確認ください。
当店の修理例
塗装の修理の内容はキズ・擦り傷・塗装の剥がれのページに、ほかの修理例は施工事例にまとめています。