更新 2026.10.15 / BODY SHOP JACK
結論:車の線傷は、爪が引っかかるかどうかで直し方が分かれます。爪が引っかからない浅い線傷は、いちばん上の透明な膜(クリア)の中の傷なので、磨きで消えることがあります。爪が引っかかる線傷は、色の層や下地まで届いているため、塗装が要ります。
線傷の深さを見分ける3つの方法
多くの車の塗装は、鉄板の上に下地の層と色の層が重なり、いちばん上を透明なクリアが覆っています。線傷がどの層まで届いているかで、直し方が変わります。次の3つで確かめてください。
- 爪でなぞる:傷に直角に爪を当てて、そっとなぞります。引っかからなければクリアの中の浅い傷、引っかかれば深い傷です。
- 水をかける:傷に水をかけて、傷が見えにくくなればクリアの中の浅い傷です。水をかけてもはっきり見える傷は、深いと考えてください。
- 傷の底の色を見る:傷の底に、車の色と違うグレーや白の層、鉄板の色が見えたら、下地まで届いています。
磨きで消える傷・消えない傷
| 傷の深さ | 見た目 | 直し方 |
|---|---|---|
| クリアの中 | 爪が引っかからない。水をかけると見えにくい | 磨きで消えることがある |
| 色の層まで | 爪が引っかかる。車の色が削れている | 傷の部分を塗装 |
| 下地・鉄板まで | 白やグレー、鉄板の色が見える | 下地を整えてから塗装 |
磨きは、傷の周りのクリアを薄く削って、傷の縁をなだらかにする作業です。クリアの厚みには限りがあるため、深い傷を消そうとして磨き続けると、クリアが薄くなりすぎてしまいます。磨きで消えない深さの傷は、塗装で直します。
線傷は長く伸びるため、ドアとフェンダーのように、2枚のパネルにまたがっていることがあります。塗装はパネルを単位に考えるので、またがっていれば2枚分の塗装になります。
修理の費用と日数
| 傷の深さ | 主な作業 | 目安 |
|---|---|---|
| クリアの中 | 磨き | お見積もりでご案内します |
| 色の層まで | 傷を整えて、パネル1枚を基本に塗装 | お見積もりでご案内します |
| 下地・鉄板まで | 下地を作り直してから塗装 | お見積もりでご案内します |
当店では、その車の今の色に合わせて塗料の色を作り(調色)、隣のパネルと色が合うように塗ります。
自分で磨くときに気をつけること
浅い線傷は、市販のコンパウンド(研磨剤)で薄くなることがあります。試すときは、次のことに気をつけてください。
- 先に洗車して、砂やほこりを落とす。砂が残ったまま磨くと、新しい傷が増えます
- 目の細かいコンパウンドから試し、傷の所だけを軽く磨く
- 同じ所を磨き続けない。クリアが薄くなり、下の色が出てくることがあります
- 爪が引っかかる傷は、磨いても消えません。そこで手を止めてください
傷を埋めて目立たなくする市販品もあります。見た目は良くなりますが、洗車やワックスで落ちると、傷がまた見えてきます。
いたずらで付けられた線傷のとき
駐車中に、硬貨やかぎのような物で付けられた線傷です。
- 警察に届け出る:被害の届け出をします。駐車場の防犯カメラに映っていることもあるので、駐車場の管理者にも伝えてください
- 写真を撮る:傷の全体と近く。日付が分かるように残しておきます
- 保険会社に確かめる:車両保険の種類によって、いたずらによる傷が対象になるかが変わります。保険を使うと翌年から等級が下がり、保険料が上がるため、修理代と比べて決める方法があります
いたずらの線傷は、何枚ものパネルにまたがっていることがあります。何枚分の塗装になるかで金額が変わるので、保険を使うかは、修理の見積もりを見てから決める方法があります。
当店の修理例
擦り傷の直し方はキズ・擦り傷・塗装の剥がれのページに、ほかの修理例は施工事例にまとめています。隣の車のドアが当たってできた傷は、ドアパンチの修理代の記事をご覧ください。